★ ☆ ★ ☆ あらすじ ★ ☆ ★ ☆彡
五百城ジュンは人口冬眠から目覚めました!太陽系から15光年離れたアルテアⅣに向かう植民船の中なのであります!ジュン少年は植民星への移住に選ばれた138人の16歳の一人だったのです!!
男81名、女57名。
「この比率は、自然出生の男女比に加えて、各自の所有する武器をもって、権力闘争を行った際に失われる損耗も計算にいれ、最終的に男女比が、五十対五十になるように定められたものです」
な……、なんだってえ~~~~~~~~!
彼らは植民星に着くまでの3か月間、生存競争を戦う運命にあったのでした!
晴れて勝者となり植民星で新生活を送れる誰か!?壮絶な駆け引きと権力闘争の幕開けであります!!
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HPで豊田有恒さんの『少年エスパー戦隊』を取り上げました。
~20世紀少年少女SFクラブ~
少年少女エスパー戦隊結成!
S連邦超能力部隊による日本爆破を阻止せよ!!
【少年エスパー戦隊】豊田有恒
https://sfklubo.net/superkapacito_skadrono/
https://sfkid.seesaa.net/article/496948772.html
この作品の角川文庫版に同時収録されていた作品が本作品であります。
しかしこんなのありですか!?最初の状況説明で嫌になりました。こんなん嫌ですね。こんな生存競争をするのなら私なら地球に残る方を選びます。
で、138人の少年少女に銃が標準装備しているというのがおかしい。
植民星に着いてからならどんな未知の脅威があるかもしれないので銃が必要というのは分かります。しかし宇宙船の中で何で銃が必要なんでしょうか。日本人の感覚としては違和感あるのですが、欧米人の感覚なら普通なのでしょうか。(彼らは地球代表の子ども達なので、世界各国から選ばれています。白人も黄色人種も黒人もいます。)
それで、理不尽な境遇に納得できないながらもジュン少年は誰と組めば有利になるか、誰が頼りにならないかと色々と作戦を立てます。それは他の少年少女も同じで、派閥闘争だとか駆け引き・裏切りの行為など、色々な事件が起こります。
こういう派閥の駆け引きは私は苦手です。私が彼らの立場になったらどうするか?それを考えると顔が引きつってしまいます。本作品が収録された角川文庫には「SFジュブナイル」と銘打っていますが、子ども向けには残酷な内容ではないか、今ならR15とかR18指定が入るのでは、と思いました。
……で、物語は、リーダーに選ばれたボブが権力に溺れて独裁に走り、ジュン達がクーデターを起こす事態にまで発展していくのですが……!
「これまで、ここで行われたことは、みんなテストでした」
「あなたたちの仲間は、一人も死んではいません。これまで死んだ者は、すべてアンドロイド・ロボットでした」
な……、なんだってえ~~~~~~~~!
今まで多くの植民団が権力闘争で全滅してきた歴史があったといいます。
そのため、権力闘争のむなしさを実感させるために仕組まれた演出だったというのです。
な……、なんだってえ~~~~~~~~!(しつこい)
最初から銃は人間相手に機能しないようになっており、今まで銃殺された者はアンドロイド・ロボットだったというのです。なるほどだからジュブナイル小説だったのかと納得。
(しかし死体を処理する際にアンドロイド・ロボットだと分からなかったのでしょうか?それは言わない約束よ。)
しかし、演出に乗せられて独裁的行動を行ったボブ少年やその腰巻きのニーノは醜態を見せてしまいました。その後仲間として受け入れられるのか心配です。彼らも普通の状況だったら普通に行動していたかもしれません。
まあ人間には多かれ少なかれ悪い心を持っていまして、それが環境によって発現したり出なかったりするのではないでしょうか。
そう考えると、彼らに与えられていた演出は果たして良かったのか悪かったのか。
本作品は色々なことを考えさせられます。
マイケル・サンデル教授の白熱教室のように、哲学・倫理・道徳的に色々と議論が交わせそうです。
ということで本作品は、単なるジュブナイルSFの枠を超えて読まれ、議論されるべき作品だと思います。
皆様はどう思われるでしょうか。是非とも読まれてご意見ご感想お寄せ下さい。
(2023.01.18)
●ブクログ
https://booklog.jp/item/1/4041377080
●読書メーター
https://bookmeter.com/books/389217
まんだらけ
学習研究社 高2コース 1971年1月号 第3付録 豊田有恒 植民星アルテアⅣ
https://www.mandarake.co.jp/ariaru/shop/ja/item/1184790463
新井素子研究会 > 登場物リスト:書籍 > SFなんでも講座
http://motoken.na.coocan.jp/tojo/book/shokai/sfnandem.html
[wikipedia:豊田有恒]
[wikipedia:W3事件]
「2010年代、世界で最もSFを愛した作家」伴名練1万字メッセージ
https://www.hayakawabooks.com/n/n074ba53b3392
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